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八鹿高校事件から半世紀
八鹿高校事件(1974年)は、「日本教育史上かってない」事件であった。「かつてない」というのは、教育現場での「解同」の蛮行を意味するが、同時に権力(教育委員会など)がこれに加担した事実をも意味する。事件の本質は、まさに「民主教育つぶし」にこそあった。しかし、教員・生徒・父母は、これに屈しなかったのである。
八鹿高校事件は、全国の支援に支えられて闘い抜いた裁判闘争によって「全面勝利」した。だが私は、八鹿高校事件の本質は未解明だと考え続けてきた。八鹿高校事件の隠された本質は「民主教育つぶし」ではなかったか。そのために本書では、当時の八鹿高校の先生方・生徒達の協力を得て、八鹿高校の教育の真実を明らかにすることを通して八鹿高校事件の本質に迫ることにした。
第一章 八鹿高校事件の舞台と全体像
第二章 生徒がつづる八鹿高校と高校生活
第三章 教師がつづる八鹿高校の教育
第四章 日本教育の青春と同和教育
補 章 八鹿高校事件と高校部落研
一 生徒と住民と私の証言
二 八鹿高校事件と同和教育の行方
三 ぼくらの部落研のあゆみ…京都府立綾部高校部落問題研究会
四 高校部落研活動の二〇年…石田眞一
終 章 八鹿高校事件を理解するために
一 行政闘争
二 運動の変質と行政
三 「朝田理論」の登場と「全解連」運動の発展
四 もうひとつの反動「解放教育」
五 「八鹿のたたかい」の意義・今後の研究課題として
附 東上高志著『日本教育の青春と部落問題』の書評(執筆 大塚茂樹)
東上 高志 編著
A5判 240頁 1,100円(税込み)+送料(1冊ならスマートレター210円)