2019年月3月17日 於:部落問題研究所

  三月一七日(日)の例会は、「谷口善太郎・執筆年表(著作目録)上(戦前編)」を編み、『論究日本文学』109号(立命館大日本文学会発行、2018/12月号)に発表された秦重雄氏から報告を受けた。(「下(戦後編)」は、六月発行予定とのこと)
 すでに加藤則夫氏(娘婿、故人)作成の年表があるが、短歌活動時代の新作品の発見、須井一、加賀耿二のペンネーム時代の作品をすべて初出で確認し、新作品を見出す等の新資料に基づき間違いの訂正等をした。また映画シナリオ作家時代の発掘、当時の映画紹介・映画批評をみつけてその活動内容を明らかにすることができた。ご遺族所蔵と思われる資料(日記を含む)を見ることができないのはまことに残念としながら、学生時代から四〇年に及ぶ執念の成果が語られた。
 紙数の都合で割愛せざるをえなかった記述が、当日資料として配られたが、それは三万字を超えており、討議の中でも貴重な「年譜考証」となっているので、作品の内容紹介とともにまとめられることを期待する声も出た。谷善没後四〇年以上も経っているので、作品選集を編んで出版してほしいという要望もあった。

(木全)