開催日 2022年9月4日
報告者 大八木 賢治
所 属 子どもと教科書京都ネット21

 2022年度第2回教育研究会が、9月4日(日)に開催された。報告は、大八木賢治「高校生はロシアのウクライナ侵略戦争から、何を学び考えてきたのか―今日の平和教育の意義と課題」である。
大八木氏の報告は、大阪の通信制高校3年生を対象とした授業報告である。2022年5月から「国際法とロシアによるウクライナ侵略」というテーマで、「ロシアはどんな理由で戦争を始めたか」「2022年3月2日の緊急国連総会の決議」「国連憲章に基づく『武力行使禁止原則』と『不干渉原則』を軸に『戦争違法化』と『自衛権確立』の歴史」などを学び、「どのように解決していけばよいのか」を考えさせたという。その際、国連におけるケニア、キューバ、南アフリカ代表の演説内容を資料として提示し、立場の違いによる意見の相違にも注目させた。生徒からは、ロシアの撤退抜きには解決できないことを前提にしながらも、軍備増強を主張する声も根強くだされた一方、「すべての国において戦争をやろうと言わない、させない、これが私たちの役割」といった意見もだされた。
議論では、これまで広島・長崎や沖縄での現地学習などを中心とした平和教育が展開されてきたが、こうした成果を今日どのように継承していくかが問題となった。(梅田修)