[文芸研究会] 「部落問題研究239輯」の富本一枝「貧しき隣人」から山路正哉「田舎教師の日記から」まで55作品
開催日 2022年7月18日 13:30~16:00
報告者 泰 重雄
所 属 部落問題研究所文芸部会
前回につづき、本特集で翻刻された5作品を取り上げた。報告では、水平社創立は文学者だけでなく多くの人に精神的影響を与えたとし、著作権の関係で不可能だった富本一枝作品の翻刻が、この機会に実現した。また、藤範恭子は晃誠のパートナーであり、次の深山鈴蘭が彼女の筆名であることを確かめ得た。討議では、「貧しき隣人」は、貧困、部落問題、高齢者、福祉等、社会問題全般に目の行届いた作品。藤範作品は、数多い彼の作品の中で異色の畢生の大作品。妻恭子は、二つの作品からその成長の遍歴が感じられる。山路作品は、短い教育実践記録で、当時の劣悪な環境が生々しく描かれている、と評価された。