21年度 定時総会開く(6月13日)

去る6月13日午後1時30分より、部落問題研究所で21 年度定時総会を開催した。開会に先だち、会員物故者に黙祷をささげた後、尾川昌法理事長が開会の挨拶(別項)を行なった。総会議長に川辺勉氏を選び、書記に出渕登喜子氏(事務局)を任命した。
 全国権連、歴史科学協議会ほかからのメッセージが紹介された。

議事に入り、第1号議案20年度事業報告承認の件(梅田理事)、第2号議案20年度貸借対照表・正味財産増減計算書・財産目録承認の件(梅本理事)が提案され、若干の質疑の後承認された。
 監査報告を小村監事が行ない、承認された。
 第3号議案理事・監事選任の件は、尾川理事長が勇退、石倉康次、石田暁、梅田修、梅本哲世、奥山峰夫、川辺勉、竹永三男、西尾泰広、広川禎秀氏が選任された(川辺氏は新任)。監事は小村和義、丹波史紀、藤本清二郎、矢頭正明の各氏が再任された。
 なお、理事の互選により梅本哲世氏が新たに理事長に、常務理事に梅田修氏が選任された。

理事長挨拶 2021.6.13定時総会

 この1年を振り返って、簡単に、幾つかの感想を申し上げて挨拶とさせて頂きます。
 1つは、研究面に関する事です。昨年10月、「日本学術会議新期会員の任命拒否について」声明を発表しました。学問の自由に関わる重大な問題ですが、今も解決していない問題です。今年はまたラムザイヤー論文の問題があります。科学的研究に対する政治的、社会的圧力と共に、研究所の役割を痛感しています。
 10月には「コロナ危機が問う日本社会の人権と民主主義」をテーマに研究者全国集会を開催しました。初めて経験したオンライン・一部対面形態の研究集会でしたが、途切れる事なく第63回研究集会として継続することが出来ました。今年2・3月には、前年度につづく第2回学習講座を「現代の人権を考える」をテーマに開催しました。紀要『部落問題研究』は長い間懸案であった年4回の定期発行を、ついに実現いたしました(233~236号)。また、4月から科研費1件を取得しましたので、新年度の科研費研究は2件が継続することになりました。
 なおついでに言えば、月刊誌に約4年近く連載された菱﨑博氏の小説『舞鶴の風』が今年、本になり高い評価を受けています。映画に、という話も出ている、とお聞きしていますが、嬉しい事です。私たちの研究とその普及活動は、間違いなく発展し前進している、ということが出来ます。
 次に財政面に関する事です。依然として厳しい財政状況にありますが、本年度の経常収支の赤字は約28万余り、前年度約211万に比べて大幅な減少です。数年にわたって続けてきた経費見直しの成果であると思いますが、少人数の職員体制、低賃金、無償のボランティア労働に依存している現状を見落とすことはできません。なお寄付金収入は、前年度に比べて減少してはいますが、通常募金(目標の77%)、所蔵目録作成募金(72%、2021.3.26財務委員会)、共に70%を超えています。ご協力に感謝申し上げます。監査報告では「さらなる経費削減」が厳しく指摘されています。見直しの努力は続けなければなりませんが限界もありますので、会員読者拡大などを含めて縮小ではなく拡大の経営も今後の課題になるだろうと思います。始めたばかりですが連続学習講座はその一例として注目したいと思います。
 最後に全国水平社100周年記念事業について報告したいと思います。「100周年記念アピール」が約30人の呼びかけ人を得まして、間も無く全国的に発表されます。100周年記念事業実行委員会では今、動画のアピール朗読、アピール賛同署名運動と各地の記念行事、木村京太郎『水平社運動の思い出』の復刻出版や関連図書出版、などが協議されています。研究所では、『部落問題研究』『人権と部落問題』での特集、関連図書の出版、などが計画されています。
 以上は、私の個人的な感想と報告です。討議の参考になれば幸いに思います。