2019年4月7日 於:部落問題研究所

 2019年4月7日(日)に、2019年度第1 回の教育研究会を開催した。
 報告は、山崎雄介(群馬大学)
 テーマ 「道徳科の評価をどうするか」

 山崎さんは、「評価」を 論じる前提として、第1に、「教科化」に教育的根拠はあるのかを問題にした。文部科学省サイドが強調する「子どもの規範意識が低下したので、道徳教育を強化する必要がある」との言説には、根拠がないこと。第2に、「いい加減な教育内容・教材で適当な授業をしておいて評価もヘチマもないのであって、まず教育内容・教材研究を」と述べ、「二通の手紙」(道徳教育教材)を例に教材研究の必要性を強調した。
 「評価」については、第1に、「子どもの(道徳的)成長に実際に役立っているのは日々の学校生活の中での指導であって、要録や通知表の文言の影響などたかがしれ」ているので、「できる範囲で割り切ってやる」ことである。
第2は、「道徳性は人格の根幹にかかわるため、数値的評価になじまない」こと、「求められているのはあくまで『道徳科での学びの姿』の評価であ」ること、「評価にあたっては、それぞれの学習者の『ベスト』を拾うというスタンスで」行うべきことである。こう指摘して、自身が実践した評価例を示した。
 「評価」も2018年度から始まったところであり、今後の展開が注目される。

(梅田 修)