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58
回部落問題研究者全国集会開く

 今回は、10月24日(土)、25日(日)の両日、Zoom方式で開催しました。
 全体会は、尾川理事長開会挨拶のあと、梅本哲世・石倉康次両氏が報告。分科会は歴史T、歴史U、現状分析・理論、教育、思想文化でそれぞれ報告・意見交換がおこなわれました

※なお、『人権と部落問題』2020年二月号に概要報告が掲載されます。
  ※詳細報告と討議内容の詳細は紀要『部落問題研究』237号(2021年4月発行予定)に掲載されます。







     全体会理事長挨拶


 


開会挨拶 尾川昌法理事長

参加記 全体会に参加して 京都市職員連合部落問題学習協議会


新形コロナ・ウイルス感染症が日本を含めて世界にひろがるなかで、第58回部落問題研究者全国集会を開催いたします。感染症対策のため、オンラインと対面併用形態となりました。はじめてのことで不手際なこともあると思いますが、今後の改善に役立てたいと思いますので、気付かれたことをご指摘下さるよう、お願いいたします。
「コロナ禍」に重ねて、私たちは今、学問の自由に係わる重大な事態に直面しております。10月9日、部落問題研究所は「日本学術会議新期会員の任命拒否について(声明)」を発表しました。この問題について、日本学術会議総会は、任命されない理由の説明と任命されていない候補者の速やかな任命を求める要望書を首相に提出しました。私たちは、「部落問題を始めとする人権問題の学術的な調査研究及びその成果を普及する事業を行い、もって日本の民主的発展に寄与することを目的とする」(定款)研究所として、この要望書を支持するとともに、憲法を無視し立憲主義を破壊する政策として、この事態を重視しています。
「コロナ禍」は、新自由主義政策の破綻を隠しようもなく明らかにして、倒産や解雇、貧困と格差の拡大、等の経済的危機、学校教育の混乱など、市民生活の深刻な現実が進行しています。今回の研究集会全体会は「コロナ危機が問う日本社会の人権と民主主義」をテーマとし、まさに私たちが直面する現実について議論し、学ぼうとしています。実りある成果を期待しております。感染症とオンライン対策を考慮して、短い挨拶といたします。                              (2020・10・22記)

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全体会に参加して
   小村和義(京都市職員連合部落問題学習協議会)

自宅に近い会場で開かれることもあり毎年参加してきた本集会が、今年はコロナ禍の影響で「ZOOM利用」とのこと。大学関係者は半年以上に及ぶオンライン授業で慣れておられるのかもしれませんが、職場を離れた私にとっては全く未知の世界。PCを操る自信もなく感想文投稿を依頼されたのを幸いにホスト会場で紙資料を見ながら受講しました。(2日目の分科会は、無事自宅で受講しました。)
会場である研究所会議室には15人。「熱気むんむん」ではないものの、久しぶりに味わう「半蜜」状況。参加者の音声が一部届かない、ホスト会場内の質疑応答、意見交換の音声をマイクがうまく拾えないなど、運営上の課題も浮き彫りになったようです。
さて本題。全体集会のテーマは「コロナ危機が問う日本社会の人権と民主主義」。コロナ禍における医療体制の不十分さ、格差と貧困の増大、さらには「最近は女性の自死が増加」とのニュースなど、新自由主義の弊害が多方面から叫ばれている中で、まことに魅力あるテーマです。

 梅本氏の報告は、戦後日本における新自由主義の導入・展開を日本型福祉体制との関連でとらえ、大和郡山市における国民融合運動の発展が「解同」による地域支配を克服してきた過程を概括されました。ひとつひとつの話は納得できるものの「国民融合運動の経験が新自由主義の下での新しいまちづくりに生かされる」とのまとめは、私にとってはかなり飛躍があって両者の間を埋めていくには少し時間がかかりそうです。

 石倉氏の報告を聞きながら思い出したのは、日経連「新時代の日本的経営」が発表された1995年当時のこと。私は自治体労組(京都自治労連)の役員として京都府下の単組で春闘や賃金確定闘争の時期に学習会の講師で出かけた際には必ずこの日経連「方針」を説明したのですが、多くの組合(その多くが正規職員組合)では反応は鈍いものでした(訴える側にも危機感が薄かったのですが)。同時期に社会保障制度審議会が共助、互助を強調する勧告をしたこと、さらには「政治改革」と称する小選挙区制導入なども相まって、90年代半ばが大きな転換期であったといま改めて感じています。
両氏の報告で面白かったのは労働組合への期待度の差異。石倉氏はケア、ジェンダー、非正規労働者の問題として社会保障・社会福祉を労働組合の課題としてとらえることが重要と提起されているのに対し、梅本氏は戦前戦後を通じて力を発揮した地域の民主化、革新自治体に比べ労組は大きな力を持たなかったとされています。こうした議論が労働組合関係者も含めて発展されることを期待します。
コロナ禍における異常なまでの清潔希求、同調圧力、忌避なども、部落問題の解決過程を考えるうえでぜひ解明していただきたい課題だと思いました。


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