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部落問題研究者全国集会

全体会 2019年10月26日(土)・分科会 27日(日)

集会の要項を(このページと同じ内容)PDFでもご覧いただけます。

開 催 要 項


於:同志社女子大学今出川キャンパス
/(京都市上京区) 会場案内図
地下鉄烏丸線(国際会館行き) 「今出川」 下車徒歩5分

参加費  2000円 (学生・院生は1000円)
※一日のみの参加も同じ金額です。

 部落問題研究者全国集会は、部落問題にかかわる学際的な研究会として一九六三年に生まれ、以来半世紀余り、部落問題・人権問題に関する学際的な研究発表・討論の場として発展してきました。
 現在、日本国憲法改定の動きがかつてなく強まり、排外主義が煽られています。また「部落差別解消推進法」制定という部落問題最終解決への逆流も起こっています。他方では、かつてない広範な市民運動が起こり、「差別」と「分断」を許さない、社会の人間的再生を求める多様な動きもみられます。さらに、「新自由主義」による貧困と格差の拡大を背景に、社会を分裂させようとする動きが世界各地で強まるなか、いかにして社会の「融合」をはかるべきかが内外の切実な課題となっています。
 広い視野から人権、地域、これを包含する社会の諸問題について、原理的かつ具体的に研究し、討論することが強く求められています。皆さんのご参加をお待ちしています。


第一日 全体集会  10月26日(土)午後1時30分〜5時 


開会挨拶
   尾川昌法 (部落問題研究所)
報   告 21世紀の天皇制度を歴史学的に如何にとらえるのか?  宮地 正人 (東京大学名誉教授)
 1944年生まれ。東京大学史料編纂所所長、国立歴史民俗 博物館館館長など歴任。  『天皇制の政治史的研究』(校倉書房)、『国民国家と天皇 制』(有志舎)など著書多数。近著(2019年刊)に『天皇 制と歴史学―史学史的分析から』(本の泉社)。
 近代以降の「天皇制」、そして日本国憲法のもとでの「天皇制度」における初めての「生前退位」による「代替わり」が行われ、この秋には新天皇の「即位の礼」と「大嘗祭」が行われる。
 改めて「天皇」という制度が、現代日本における民主主義の前進との関わりでも注目されるなか、古代以来の歴史的存在である「天皇」について、近世〜近代・現代を専門とする歴史学者の宮地正人氏に、「天皇」をめぐる歴史、そして今日・21世紀の「天皇制度」を如何に捉えるのか、報告していただく。
 その問題提起をふまえ、さまざまな専門分野・立場から議論し、問題を深めたい。積極的な参加を期待する。




第二日 分科会  10月27日(日)午前10時〜午後4時30分


1:歴史 T
 テーマ
行き倒れからみる近世社会


近世芸備地方の移動と行き倒れ[仮]


 藤本清二郎(和歌山大学名誉教授)
      
道頓堀周辺の非人行き倒れ
 塚田 孝(大阪市立大学)
コメント 
 行き倒れへの着目と課題
    ―四国遍路研究の立場から―
 町田 哲(鳴門教育大学)

 近年、部落問題研究所では、近世・近代の行き倒れについて検討を深めてきている。歴史T分科会では、その成果をふまえ、近世社会における広領域での移動や困窮により流浪する多様な人々の実態に着目し、行き倒れに対する地域社会や幕藩権力の対応・統制、賤民組織の関わり、あるいは行き倒れを生み出す社会の文化・信仰・貧困・救済といった側面を、構造的に捉えることの意義を考える。とくに都市や街道における具体例をふまえ、身分社会研究・交通史研究の文脈の中で、これを再検討したい。




2:歴史 U
テーマ
 近代大阪における方面委員制度の成立と社会事業の展開
大阪府方面委員制度の歴史的性格  飯田 直樹(大阪歴史博物館)
飯田報告へのコメント

 高岡 裕之(関西学院大学)
     

 大阪府方面委員制度は、一九一八年の米騒動後に府の社会事業の補助機関として創設された。報告者の飯田氏は、これまで警察社会事業・部落事務員等に関する研究を積み重ねてきた。本報告では、大阪市とその周辺部における民衆の中での方面委員の活動の具体的分析を通して、方面委員制度の歴史的性格を明らかにする。この報告に、「福祉」を歴史学の問題として捉える研究を推進してきた高岡氏のコメントを得て、討論を展開する。



3:現状分析・理論
 テーマ
 地域における人権と部落問題を考える
地域で暮らし続けるということ
   ―精神医療福祉臨床から考える―
 松本 聡子(ソーシャルワーカー)
同志社大学人文科学研究所所蔵の部落問題資料について

 河野 健男(同志社女子大学)
神戸時代の賀川豊彦と部落問題

 鳥飼 慶陽(番町出合いの家牧師)
 地域における人権課題として、松本聡子氏が、精神障がい者の地域生活をめぐる問題を第54回集会分科会に続いてとりあげ、考える。
 部落問題に関しては、関係資料を多数所蔵している同志社大学人文科学研究所について、河野健男氏から、所蔵史料の紹介とその活用について提起を受ける。さらに、神戸の部落の実態について、神戸在住で賀川豊彦に関する著作数冊をもつ鳥飼慶陽氏が報告する。


4:教 育
  テーマ 
 道徳教育と人権教育
中学校道徳教科書と道徳教育  大八木賢治(子どもと教科書ネット21)
人権教育をめぐる動向と道徳教育

 梅田  修(部落問題研究所)
 二〇一八年度から小学校に「道徳科」が、二〇一九年度からは中学校にも「道徳科」が設置され、すでに道徳教科書にもとづく実践が展開されている。「道徳科」をめぐっては、これまでにも国が道徳内容(徳目)を規定していいのか、はたして教科として成立するのか、教科書教材は道徳教材として適切か、「道徳科」の評価はどこまで可能か(評価はどうするのか)といった諸点が理論的・実践的に議論されてきている。
 こうした中で、「徳教性の教育のあるべき姿」を検討するとともに、最近の人権教育の動向にふれながら人権教育と道徳教育の関連についても検討したい。


5:思想・文化
 テーマ 細井和喜蔵作『奴隷』『工場』(岩波文庫)を読む ―現代とのかかわりで労働を考える―
『奴隷』『工場』を読む
  ―いかにして一個の自覚した労働者たりうるか―

 秦  重雄(大阪府立桜塚高校)
岩波文庫発刊の経過とその反響
 松本  満(細井和喜蔵を顕彰する会)
 昨年、約九〇年ぶりに、『女工哀史』の著者・細井和喜蔵の長編小説『奴隷』『工場』が厳密な校訂と詳細な解説をつけて岩波文庫から再刊された。ブラック企業が蔓延する現代日本の状況を告発したかのような作品である。
人間として尊重される労働者の人権意識獲得のための苦闘を作品の中から探ってゆきたい。


 
 公益社団法人部落問題研究所






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